平和な世界を目指して


 

世界連邦推進日本協議会 第三回 政策提言への外務省からの回答


 

 

 

「世界連邦実現に関する第3回政策提言」について

 

平成20年10月22日

外務省

 

平成20年9月17日に、植木光教世界連邦推進日本協議会会長並びに森山眞弓世界連邦日本国会委員会会長より頂きました「第三回 世界連邦実現に関する政策提言」に関し、下記のとおり回答申し上げます。

1.「提言1.日本政府が率先して地球環境対策に取り組み、人類の危機を回避する行動の先導国家となること」について 人類の活動範囲・規模・種類の拡大に伴い、地球温暖化や生物多様性の損失等の地球環境問題の深刻化が進み、地球と人類に対する脅威となっています。特に地球温暖化は、人類の生存基盤に関わる重要な問題であり、国際社会の一致団結した取組の強化が求められています。

この問題の解決には、世界全体としての温室効果ガスの排出削減を実現する公平で実効性のある枠組み作りが何よりも重要であり、我が国は先般の北海道洞爺湖サミットでも議長国として具体的な成果の取りまとめに貢献しました。また、同サミットでは地球温暖化のみならず、違法伐採対策等を含む森林減少対策、生物多様性の保全と持続可能な利用、3R、持続可能な開発のための教育(ESD)への取組みについても協議の成果が首脳宣言に盛り込まれました。

さらに、本年7月末には、政府は、世界に誇れるような低炭素社会の実現に向けて具体的な施策を取りまとめた「低炭素社会づくり行動計画」を閣議決定したところですが、そこには今回御提言いただいた具体的対策に関する施策も含まれています。 政府としては、上記行動計画で示された具体的施策の着実な実施に努めるとともに、2009年末までの合意を目指した国連交渉の場において、すべての主要経済国が責任ある形で参加する2013年以降の枠組み合意を実現すべく、引き続き国際的なリーダーシップを発揮していく考えです。 

 

2.「提言2.ICCを通じて国際刑事裁判制度の発展に寄与すること」について 我が国は、国際刑事裁判所(ICC)設立当初より、最も重大な犯罪の撲滅と予防、「法の支配」の徹底のため、ICCの活動を一貫して支持してきました。国内外からの日本のICC加盟を求める声に応え、国内の実施体制の整備等を行い、2007年10月には我が国の正式な加盟が実現しました。また、同年11月には加盟後最初のICC裁判官選挙で齋賀富美子人権担当大使が選出されました。

 政府としては、今後とも、ローマ規程検討会議や侵略犯罪の議論への対応も含め、ICCを通じた国際刑事法・人道法の発展に積極的に参画していくとともに、未加盟国の加盟促進などを通じたICCの普遍性向上に貢献していきたいと考えています。また、最大の財政貢献国としてICCの運営等への積極的関与、人材面での最大限の貢献を行っていくとともに、国内の実施体制の面でも適切に対処していく考えです。

 また、我が国として条約を締結するに当たっては、政府としては、引き続き、当該条約を実施するための体制の整備を始め、必要な検討を行った上で、適時適切な形で条約の締結を行っていく考えです。

 

3.「提言3.恒久平和構築の前段階としての軍縮に積極的に貢献すること」について

(1)核兵器使用の違法性について 政府としては、核兵器の使用は、その絶大な破壊力、殺傷力の故に、国際法の思想的基盤にある人道主義の精神に合致しないと考えています。

 政府としては、このような考えの下、ご指摘の国際司法裁判所の勧告的意見等も踏まえ、唯一の被爆国としての立場から、核兵器の廃絶は極めて重要であると認識しており、核兵器のない世界を目指した現実的かつ着実な核軍縮努力を積み重ねていくことが重要であると考えます。

(2)クラスター爆弾について クラスター弾への取組については、我が国はクラスター弾がもたらす人道上の懸念に効果的に対処することを重視し、オスロ・プロセスのすべての会議に出席し、実効性ある国際約束を作成することに積極的に関与してきました。2008年5月にアイルランドで開催されたダブリン会議においてクラスター弾に関する条約が採択された際も、我が国はこのような考え方からコンセンサスに参加しました。今後は、同条約の署名に向けて、安全保障上必要となる措置についての予算上の手当てを含め、より具体的な検討を進めていきます。

(3)劣化ウラン兵器について 我が国は、昨年の国連総会で、劣化ウラン弾に関する決議に賛成票を投じました。これは、劣化ウラン弾が健康や環境に与え得る影響につき行われている国際機関の調査の動向等を注視していくとの立場から賛成したものです。 また、我が国は、同決議に基づいて、国連に提出した見解において、関連する国際機関に対し、現地調査を継続し、更なる情報収集を行い、当該国際機関の見解を提示することを要請するとともに、我が国として、本件に関し、市民社会と対話を行う考えを示しました。 いずれにせよ、政府としては、関係の国際機関等による調査の動向等を引き続き注視していく考えです。

(4)武器貿易条約(ATT)について  武器貿易条約(ATT)については、本年、我が国も参加した国連政府専門家会合における議論の結果、通常兵器の移譲問題の複雑さにかんがみ、この問題につき更に検討する必要があるとの報告書が取りまとめられました。このような議論が、今後、国連の枠組みで、段階的に、開かれた透明性のある方法で議論が進められる予定です。我が国は、「武器輸出三原則」等の下、通常兵器の移譲について厳格な政策をとっていることから、ATT構想について高い関心を持っており、ATTに関する作業に引き続き積極的に参画していく考えです。

 

4.「提言4.共通認識としたい世界連邦の諸原則」について  世界連邦の実現につきましては、国際社会の現実を踏まえますと容易ならざるものがあると考えますが、我が国としてもその目的である世界の恒久平和については、引き続き積極的に希求して参ります。かかる観点から、我が国は、恒久平和の実現に向け軍縮に積極的に貢献するとともに、人類の危機を回避するため地球環境対策に主導的な役割を果たしていく考えです。

また、人間の生存・生活・尊厳に対する広範かつ深刻な脅威から人々を守り、人々の豊かな可能性を実現するために、人間中心の支援を重視する取組を統合し強化しようとする考え方である「人間の安全保障」の推進に取り組んで参ります。  政府としては、平成17年8月2日に衆議院本会議で採択された「国連創設及び戦後60周年決議」の理念と決意も踏まえつつ、平和主義と国際協調の精神に基づき、国連を強化するための改革の実現に一層努力しながら、今後も世界の平和と繁栄に貢献していく考えです。

以上