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世界連邦運動協会第68回(2013年度)総会宣言

原子爆弾による惨禍を契機として核兵器廃絶と世界平和を求めた世界連邦運動は六十八年目を迎えたが、いまだ世界連邦の実現を見ていない。その間、幸いにも第三次世界大戦は避けられたが、戦闘とテロによる悲惨を止めることができない現実が世界を覆っている。一方、地球温暖化・気候悪化の原因となる大気中の二酸化炭素濃度は急増し続け、核兵器の拡散も止まるどころか、小型核兵器がテロリストの手に渡って即刻使用される危険性も指摘されている。

北朝鮮の核兵器開発や隣国との領土問題など、我が国を取り巻く国際社会の環境も一層混迷を迎えている。そのような状況において、国際司法裁判所への付託は紛争当事国の双方が合意しない限り裁判を行えないという限界を克服するために、国際社会はより強固な“法の支配”による解決が必要であるという認識を深めつつある。

また国内においては憲法改正の議論が高まり、一方、東日本大震災や、それに伴う原発事故から二年以上の歳月を経た今も、その復興は未だできていない。この点でも、人類が核にどう対峙するかということの結論は出されておらず、市民の安全は不透明なままである。

このような諸課題を解決するために、今ほど世界連邦の必要性が認識される時期はない。交通機関やネットワークの発達とともに、国家を超えた市民の交流や相互理解が物理的に可能になった現在、私たち世界連邦運動に携わる者は、この機を逃すことなく、この運動を世界中に広めていかなければならない。

今や、世界連邦を実現し、国家主権の乱用を克服し、世界の完全軍縮を達成するとともに、全世界が一致して地球環境を保全することが焦眉の急である。世界連邦実現のための事業着手は、日本の世界連邦運動と日本政府の決意にかかっており、二○○五年八月二日の衆議院決議に基づき、日本政府が早急に「世界連邦実現への道の探究に最善の努力」を始めることが必要不可欠である。そのためには私たち一人ひとりの自覚と行動が大切であり、国際的な諸活動とともに、政策提言と広報活動をいっそう推進し、会員増と組織強化に努めなければならない。

私たちは、すべての人々が公平かつ安全に暮らせることを目ざす博愛主義に基づき、世界連邦実現のため一層努力することをここに誓う。

以上、宣言する。

2013年5月25日    世界連邦運動協会第68回総会

 


2013年度運動方針

2011年3月11日に発生した東日本大震災は、東北地方を中心に地震、津波、さらには福島原子力発電所事故という甚大な被害を引き起こしました。この災害で亡くなられた方々のご冥福と一日も早い復興を心からお祈り申し上げますとともに、今後も世界連邦運動の視点から防災・被災者救助・復興支援の問題に取り組む所存です。

この震災に対しては、途上国も含めた多くの国から支援が寄せられ、支援は先進国から途上国への一方通行のものではなく、国家を超えて助け合うものであることが示されました。私たちは支援に感謝するとともに、世界連邦実現に邁進し、国家・民族・宗教の違いを超えて人類が共生する世界をつくるために尽力します。

国際社会に目を向けると、核兵器の拡散、テロリズム、地球環境問題、領土紛争、過剰な投機マネーによる世界経済の混乱など、国家規模を超えた諸問題がますます増加しています。これらの諸問題を解決するためにも、国連を筆頭とする国際機構を改革・強化し、漸進的な国際統合を図る必要性が増しています。人類の活動が既に国家を超えているにもかかわらず、そこに適正な規制を加えるためのガバナンスが主権国家の枠組みを超えられないのでは、問題は解決できません。世界連邦の実現は従来にも増して喫緊の課題となっていると言えるのです。

2002年に国際刑事裁判所ローマ規程が成立、また国際連帯税創設が60数カ国で論議されるなど、国家を超えた機構を創設する動きが活発になっています。EU・AUなどの地域統合も進んでいます。このような機構創設・地域統合などの先に、その源となる大きな理念として、世界連邦があるのだということを見据え、全国に伝えていくことが私たちの運動の使命といえます。日本は「世界連邦実現への道の探究」という文言が明記された衆議院決議を行った唯一の国です。私たちは政府がこの決議に基づいて、その探究に最大限の努力をすることを求めます。また、時代の先駆者としての誇りを持ち、インターネットをはじめとする情報ネットワークを充分活用し、力の支配に代えて「法の支配する世界」となるよう全国的な国民運動を展開します。

こうしたことを踏まえて、具体的には、次のような活動計画に基づき本年度の活動を展開します。

 

2013年度活動活動計画


【理論・政策】.   

世界連邦創設に向けた可能性を探求するために、主として以下の3点から理論的研究を行う。

1.欧州連合(EU),東南アジア諸国連合(ASEAN)といった地域統合の進捗状況の分析、提起されている各種の世界連邦憲法草案の分析などを通して、世界連邦建設に向けた条件整備を研究する。

2.国連安全保障理事会をはじめとする国連改革、国際司法裁判所(ICJ)や国際刑事裁判所(ICC)の機能拡大など、既存の国連システムを世界連邦の制度にいっそう近づける方策の研究を行う。

3.地球規模の課題を克服し世界連邦の条件整備を円滑にするため、国際連帯(取引)税、自然災害に対応する国際救済組織、原子力・エネルギーの国際管理制度、沖縄の基地問題をはじめとする安全保障政策、ワールド・エシックス・フォーラム、保護する責任、国連気候変動防止条約をはじめとする環境条約、といった現在国際社会で議論されている項目を精査・研究する。

【政治活動】

1.世界連邦実現を我が国の国是とする歴史的な2005年国会決議の可決を踏まえて、世界連邦日本国会委員会や「地球規模問題に取組む国際議員連盟日本委員会」(PGAジャパン)などの友好団体との緊密な協力をますます強化し、この問題の政府の窓口である外務省及び国の関連機関とは今後更に一層緊密に連携し、国内はもとより、世界に対して強力な運動を展開する。

2.過去5回にわたる「世界連邦実現に関する政策提言」に触れられた内容について、国会委員会所属議員から国会の場で質問してもらうなどの手法で具体的進展を求める。中でも国際司法裁判所の選択条項受諾宣言については、領土問題などに関連して理解を得やすいので、特に力を入れる。

【組織】

1. 運動の雰囲気を盛り上げ会員を結集する上で、かつては「世界連邦を21世紀までに」とのスローガンが極めて有効であった。現在も、そのような「ことば」をかかげることが、運動推進上求められていると思われるので、この際改めて適切な標語をつくる。

2. 会員増加について、何としても会員減少に歯止めをかけるとともに、会員倍増を目指して「ひとりがひとりを」の合言葉で新規会員獲得に努める。

3. オルグ活動を実施。講演活動を活発化するとともに支部実態調査も行う。

4. 本部主催で組織拡大会議ならびに研修会を開催し、これを契機にブロック組織や支部においても同様のことが実施されるようにする。

5. 改めて、世界連邦都市宣言運動を全国的に展開し、組織の活性化につなげる。各支部の都市宣言推進への取り組みを容易にするため、「世界連邦宣言の手引き」などを作成する。

6. 本部から支部への発信を励行する。

7. 青年・女性、宗教関係者に働きかける。

8. 他団体との連携をはかる。まず世界連邦関係諸団体(国会委員会・自治体協議会・宗教委員会)との緊密な関係構築に努めるが、政策を共有できるその他のNGOとも連携し、社会的要請により活動を共にする。

【教育広報】

1.広報活動の手段を充実させ、世界連邦理念の深化と活動の拡大を図る。   

@ 「世界連邦ニューズレター」の内容充実を図り、世界連邦の理念・政策の伝達、平和教育推進の効果的な魅力的な媒体とする。    

A 本部ホームページの内容充実を図り、各支部が互いにリンクし合えるものとし、インターネットを広報・公聴の有力手段として、有効活用する。   

B 子ども向けジュニア新聞『平和の種(仮称)』刊行のための準備委員会を設置し、予算・構成員・内容等を検討する。

2.各支部はイベント開催や多彩な独自活動等を積極的に展開し、報道機関等にも進んでアプローチする。その際、『世界連邦リーフレット』や、1.の各種手段を有効活用する。

3.小中学生平和ポスター・作文コンクールの一層の充実発展を図り、本年度も東京都庁展示室に展示する。又、各支部が優秀作品並びに世界連邦に関するパネル展示を行い世界連邦運動の拡大と平和教育の進展に努める。 4.支部活動の充実を図り、全国の活動を発展させる。     

@地方からの草の根運動に力点をおいた新たな活動を創出する。     

A相互の連絡を密にし、効果的な情報交換が出来るブロック活動を強化する。                                          

B青少年対象の『出前平和授業』等を充実・進展させ、平和意識を高める。                   

C各組織が、本年度の具体的な行動目標(数値目標)を設定・公表し、更に年度末には総合評価を行い、その結果をHPやニューズレターに掲載し表彰する等で意識高揚を図る。

5.世界的情報ネットワークを活用して、広く国内外にわたって世界連邦運動を強力に推進できるように、もっと多くの人たちに知らしめる。

【国際】

国際委員会としては、2013年を(仮称)「世界連邦実現への道の探求特別委員会」設置準備年とする活動を提案したい。実際に特別委員会を日本の国会内に設置するには強い政治的意志が必要であり、その実現には一定の時間が必要だが、特別委員会設置実現に向けた 国内外の協力関係を築くことが必要であり、そうした準備は早めにスタートさせることが望ましい。そのような視点から国際委員会の本年度の活動方針を提案する。

国会に特別委員会を設置するには、世界連邦国会委員会をはじめとする超党派国会議員の力強い賛同と協力が大前提だが、そのためには、まず国外の協力関係を築いておくことが不可欠と思われる。具体的には、下に列記する諸団体のネットワークなどを通じて、米国、韓国、EU委員会、カナダ、オーストラリア(中堅国家イニシアティブ)などとの連携を深め、(仮称)「世界連邦実現への道の探求特別委員会」への賛同表明を広く獲得するものとする。

(1) 保護する責任(R2P, Responsibility to Protect)キャンペーン(WFM本部)

(2) ICJ選択条項受託宣言キャンペーン

(3) ICC侵略犯罪の定義及び管轄権の行使手続きに関する改正条項等早期批准キャンペーン(WFM本部)

(4) 国連議員総会(UNPA, United Nations Parliamentary Assembly)キャンペーン(WFMドイ ツ)

(5) 国際連帯税(FTT, Financial Transaction Tax)キャンペーン(ATACK,グローバルタックス研究会等)

(6) 原子力の国際管理キャンペーン(PNND, Parliamentarians for Nuclear Non- proliferation and Disarmament、平和市長会議等)

(7) ICC批准キャンペーン(PGA: Parliamentarians for Global Action等)

(8) ワールド・エシックス・フォーラム・キャンペーン(国連大学、IEGL, Institute for Ethics, Governance and Law等)

(9) 省エネに係る「ゼロ・エネルギー建物」キャンペーン(EU委員会)

(10) その他

【財務】   

この三年間、財務状況改善のため経費削減に最大限の努力をしてきました。事務所移転やニュースレターの回数を隔月にし、そして2012年は不本意ながら人件費の削減にまで踏み込みました。本年は電話リースの解約、そしてNY本部への分担金を三分の一にしてもらなどの交渉を通じて更なる経費削減に努めています。

財務状況は3年前に比べ、大幅に改善されましたが、それでも今年の予算策定において、単年度予算を赤字にしないためには約90万円強を有志による月1万円(年12万円)の登録寄付によって補填しなければならない状況です。とはいえ、昨年の総会では同様の財務状態にするには24人の登録寄付者(約180万円)が必要と申し述べましたが、本年は約三分の一の約8人で乗り越えることができます。

一方で、これは財務委員会の力不足によるものですが、大口の新たな寄付者や政府や財団からの補助金を見込める状況には至っていませんので、本年度も10人以上の登録寄付者を募らせて頂くことで、健全な財務を確保したいと考えております。

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