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世界議会は可能か?


世界連邦新聞2003年10月号掲載

世界人民のため奉仕 地球的諸問題につき討諭

国連は民主的ではないが、独裁的でもない。しかし、時々、アメリカが国連の独裁者としての姿を示すことがある、国連を民主的なものに変えることは非常に容易である。民主化により、実効的な政府としてのレベルを向上させることになるであろう。 問題は、国連総会あるいは安全保障理事会の議席に座っている人々が世界の人民に奉仕するのではなく、それぞれの国民国家の政府に奉仕していることである。世界社会にとって良い政府は、その政府を組織する際に、世界の人民に奉仕するのであって、その小さな一部にすぎない国家の政府に奉仕するのではないということを第一の関心事とすることによってもたらされる。このことが国連は民主的に選挙された第2院-世界議会を必要とする理由である。 どのような種類の世界議会について話しているのか?どのようにしてつくるのか?どこに設置するのか?何をするのか?議論の出発点として、いくつかの提案をしてみよう。 4年任期の世界議会議員を民主的な議会であるためには、まず国連選挙監視機関を設立する必要がある。 その監視員は選挙期間中在任し、事務総長に対して特定の候補者が世界議会議員として公正に選挙されたか香か報告する。事務総長はこれについて最終的な判断を下す。事務総長は、また議会の活動を組みたて、議員の歳費を支払い、運営業務を処理するという全般的な責任を負う。 成人100万人以上の国は議員を選出する。国の規模により、より多くの議員を選出する。選挙は4年の任期ごとに行われ、毎年、世界議会議員の25%が改選される。従って選挙監視翼は常に国から国へと移動する。 公正な選挙が不可能な場合は、当該国政府は世界議会議員を指名することができる。歳費は支払われ、審議に参加できるが、、表決権は有しない。 世界議会はニューヨークには設置しない。ローマ、パリ、北京、ストラスプールなど他の場所もあらゆる必要な施設を備えている。

われわれは、ニューヨークに本部を置く世界連邦運動(WFM)の各国加盟団体と相協力して運動を展開しているが、特に本年は1.集団殺害や人道に対する罪および戦争犯罪などを犯した個人を裁く国際刑事裁判所の設立促進、2.「国連国際法の十年」の最終年である一九九九年に予定されている第一回ハーグ国際平和会議百周年記念の市民平和会議の開催準備に力を注ぐ。また十一月にインドで開催される第二十三回世界連邦運動世界大会の成功のために努力する。

日本国憲法第九条に謳われている正義と秩序を基調とする国際平和を達成するには、世界連邦建設以外に方途はない。世界連邦実現を日本の国是とする国会決議については、世界連邦日本国会委員会が衆参両院に提出する準備を進めている。われわれは、同委員会と協力して、その実現を期す。

われわれは、創立五十周年を機会にさらに若い世代の参加を得て、組織を拡大、強化し、世界連邦の早期実現のため、内外に向かって活発な運動を展開する。


右宣言する。


一九九八年五月十九日

世界連邦建設同盟定例総会


当初は諮問的な機能果たす

議案は二つに分類される。一つは国連総会によって提出されるものであり、もう一つは世界議会議員提出によるものである。あらゆる決定は施行される前に国連総会によって批准されなければならない。このように、当初は諮問的な機能を果たすだけである。かつて英国下院は、きわめて限定された権限しか持っていなかった。しかし、真に人民を代表するようになると、その権限は国王および上院を凌駕するようになった。


世界議会は地球的な諸問題について審議し、処理のための委員会を設けることができる。早い段階において、国連およびその活動の財政についての新しい方法を検討することが求められるであろう。各種のアイディアがすでに提出されている。それらは全て、地球にとって有害な行為に対して少額の税金を課すもので、例えば、航空、国際武器貿易、大規模為替取り引きなどへの課税である。


この委員会は他の地球的諸問題も審議する。例えば世界的規模の教育問題、紛争とその結果としての難民問題、消滅しつつある漁業資源、災害(地震、洪水、飢きんなど)と必要な行動、地球温暖化などである。


歴史が証明するように、一旦、民主的な議会が設立され、選挙民に対して責任を負うようになれば、徐々に自らの方針を定め、改善されたレベルの政府がつくられる。


政府と課税は手をとり合って進む。よき地球政府はある種の地球課税を必要とするであるう。歴史上、自発的な財政的訴えだけで長く存続した政府はない。

国際刑事裁の設立に解決策


解決しなければならないもう一つの大問題は、私たちが考えている政府の種類は確かだとしても、どのようにしたら、それをつくることができるかである。それは、国家政府からの相当程度の主権の移譲を含むことは確かである。あらゆる国家政府がそれに反対することも確かである。ますます世界の保安官となりつつあるアメリカは、現状を維持するためにあらゆるものを動員するであろう。


解決策は、国際刑事裁判所(ICC)が設立された方法のなかにある。元来、殆ど全ての国家政府は、ICCの考えに反対していたが、アメリカ政府ほど厳しくはなかった。興味深いことに、この考えに反対する少数派の諸国はアメリカに率いられており、イラクやリピア、イエーメンなど独
裁体制の国が含まれていた。


しかし、国際刑事裁判所は設立された。世界連邦運動(WFM)に率いられたNGOの巨大な集団が設立条約を審議したローマで発言し、十分な数の民主的政府が倫理的な方途を選択し、この考えを支持するよう訴えた。


トリニダードトバコが、この考えを国連総会に提案したのは1989年のことであった。旧ユーゴスラピアおよびルワンダにおける非人道的事件が新たな共感に火をつけた。1994年に国際刑事裁判所規程案が国連総会に提出され、同総会はアドホック委員会を設置、それは準備委員会に引き継がれた。1998年7月にはローマで国連国際刑事裁判所外交会議が開催された。同会議は多数決で同裁判所設立条約を承認し、大量殺害、戦争犯罪、人道に対する罪に関する管轄権を与えた。設立条約は60か国の政府によって批准されたときに発動することになっていた。各国政府は国際刑事裁判所に従うために次々と国内法を改正した。同裁判所は02年に設立された。


多くの話し合い、多くの妥協と譲歩がなされた。しかし、大国の殆どが反対した世界的問題について変化がもたらされた。世界議会も多分、同様な方法で設立されるであろう。選挙された世界議会議員の年次フォーラムとNGO代表による年次グローバル市民社会フォーラムは、直接選挙による世界議会の貴重な先駆となるであろう。


私たちは、すでに世界共同体の一員である。国連が民主的になるのが早ければ早いほど良い政府が始まるのも早いだるう。
(英国の世界連邦主義者協会の機関誌「ワン・ワールド」から)


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