世界連邦運動協会資料ページ 世界連邦運動協会資料ページ
×このウインドウを閉じる

尾崎行雄の「世界連邦建設に関する決議案」


昭和ニ十年十二月十一日提出

決議第一一号
世界連邦建設二関スル決議案
昭和二十年十二月十一日

賛成者 本多市郎 小山亮 牛塚虎太郎 岡本伝之助 鈴木正吾 浜野文平 森川仙太 岸井寿郎 真崎勝次 喜多壮一郎 中谷武世 安藤正純 寺田市正 川崎巳之太郎 鶴惣市 松尾三蔵 三木武吉 北玲吉 牧野良三 星島二郎 今井喜幸 角猪之助 斎藤正身 大倉三郎 猪野毛利栄 西尾末広 松本治一郎 木下郁 菊地養之輔 杉山元治郎。


世界連邦建設ニ関スル決議

建国以来未曽有ノ大屈辱ヲ招致シタル吾人昭和ノ住民ハ如何ナル苦難ヲ忍ンデモ之ヲ洗雪シ以テ祖宗ニ謝罪セザル可カラズ其ノ方法ノ一トシテ本員ハ世界連邦ノ建設ヲ提唱シ其ノ実行ヲ促進セムコトヲ切望シ茲ニ之ヲ決議ス其ノ組織及職権等ハ理由書ニ説ケルガ如ク其ノ道ノ権威者ヲシテ立案セシムベキダガ本員ノ私見ニ依レバ全世界ノ独立国ヲ網羅シテ一種ノ中央政府ヲ設ケ国際紛議ノ予防ト裁決ダケヲ担当セシメ其ノ他ノ職務ハ総テ列国ノ自治ニ一任シタク思フ叉中央政府首脳部ノ任期ハ三、四年ニ限リ投票ニ依テ列国代ル々々之ヲ担当スルガ好カラウ右決議ス

理由書

文化ノ進歩卜国際戦闘トハ並行スル能ハザルモノナリ (1)文化ノ進歩スルニ従ツテ殺傷破壊ノ器具ト方法トハ際限ナク増進ス故ニ現在ノ如キ列国対峙抗争ノ体勢ヲ継続スレバ国家及人類ハ遂ニ滅亡ニ至ル、ベシ(2)之ヲ保存セソト欲セバ国際戦闘ヲ絶滅セシメザル可カラズ其ノ道ハ国内ニ於テハ曾長及侯伯間ノ戦闘ヲ絶滅セツメタト同様ノ方法ヲ採用スルニ在リ即チ一層広汎ナル政治機関ヲ設ケ仲裁若ハ裁判ニ依ツテ悉皆ノ紛争衝突ヲ解決スルコト是レナリ(3)現在ノ世界列国ハ古昔ハ何レモ幾多ノ封建的小国家ニ分裂シ各々軍備ヲ整ヘテ戦闘セシモ文化進歩シテ実質的ニ境域縮少スルニ従ツテ遂ニ国内的戦闘ヲ廃絶スルニ至レリ(4)世界列国ガ悉ク国内的ニ実行シタル方法ヲ世界的ニ実行スレバ以テ現在人生ノ最大禍患タル国際戦闘ヲ廃止シ以テ国家及人類ノ滅亡ヲ予防スルコトヲ得ベシ

二 世界連邦ノ建設

(1)古昔ハ一国内ヲ一周スルニモ一ケ月以上ヲ要セシモ今日ハ一週間以内ニテ全地球ヲ一周シ得ベク談話ノ如キハ数時間ニシテ万里ノ外ト交換スルヲ得ベシ (2)此ノ時ニ方リ尚古式ヲ守リ列国対峙シテ日夜戦備ヲ修ムルガ如キハ時代錯誤ノ太ダシキモノナリ宣シク共同的政治機関ヲ建設シテ国際争議ヲ解決セシムベシ(3)前回ノ世界戦争後ニ設置シタル国際連盟ハ其ノ一手段ナルガ今固ハ更ニ一歩ヲ進メテ世界連邦ヲ建設シ以テ国際紛議ノ予防ト裁決ノ衝ニ当ラシムベシ (4)全世界ノ独立国ハ悉ク世界連邦中ニ加盟セシムベシ叉其ノ職責ハ前記 (2)項ノ事柄ニ止メ他ノ政務ハ総テ加盟列国各自ノ施為ニ一任スベシ

三我帝国ノ責務

我帝国ハ成ルベク速ニ世界連邦建設ノ希望ヲ提唱シ軍備ノ撤廃又ハ大縮少ニ依テ生ズル経費ヲ割キテ(1)広ク全世界ノ平和問題研究者ヲ優遇スルト同時ニ其ノ権威者ヲ招聘シテ世界連邦建設及実行関係ノ手段方法ヲ調査講究セシムベシ(2)世界的権威者ヲ招聘又ハ之ニ委嘱シテ国際語ヲ調査研究セシメ我レ自ラ之ヲ探用シテ連邦政府ノ用語トナス事ヲカムベシ(3) (中略) 四反省悔悟ノ実績 今回ノ降伏ハ神武天皇建国以来未曽有ノ大屈辱ナル故生キテ今日ニ。在ルモノハ上下貴賤ノ別ナク大イニ反省悔悟ノ実ヲ挙ゲネバナラヌ筈ナリ然ルニ少数ノ自殺者以外ニハ未ダ其ノ事実ヲ見ザルハ家々ノ祖先ニ対シテモ実ニ申訳ナキ次第ナリ就イテハ酒煙草ノ如キ有害ナル嗜好物ヲ禁止スルト同時ニ広ク全国氏ノ使用スル漢字ヲ廃止スルコトモ亦長ク大屈辱ヲ記念スル一方法ナラン乎(2)転禍為福ノ道古来未曽有ノ大屈辱ヲ受ケタルニ付テハ何トカシテ之ヲ洗掃シタキ希望ハ全国人氏ノ悉ク懐抱スル所ナラムモ其ノ成功ハ非常ナ困難事ナリ普通ノ方法ニテハ従前ノ位地ヲ回復スルコトスラ困難ナルモ世界連邦ヲ提唱シテ着々其ノ方法ヲ研究シ実行スレバ半世紀ヲ出デズシテ全世界ノ恩人ト為リ其ノ尊仰ヲ受クルニ至ラム(3)連邦政府ノ首脳ハ一国一票ヅツノ投票ニ依リ選定スペキナラムモ我帝国ハヤガテ多数ノ投票ヲ得テ其ノ重責ヲ負フニ至ラム果シテ然ラバ転禍為福ノ道トシテモ是レ以上ノ方法ハ無カラム(原文のまま)


×このウインドウを閉じる