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1999年度総会宣言(1999)

世界連邦建設同盟は、昨年、創立五十周年を迎えた。二十一世紀の早い時点で、国連を再構築し、十分な権威と権限および、財源をもつ世界連邦へと発展させるという目的を達成するためには、いまこそ運動の活性化を図らなければならない。しかるに、われわれの組織は会員の高齢化が進み、組織が弱体化している。組織の拡大、強化、特に将来を担う若い世代の参加を得るための方策を講じることは、まさに急務である。その一つとして、創立以来の「世界連邦建設同盟」という会名を「世界連邦運動協会(WFM・JAPAN)」と改めて、心構えを新たに運動に邁進することを決意する。

昨年七月、大量殺害や人道に対する罪、戦争犯罪などを犯した個人を訴追対象とする国際刑事裁判所設立条約が採択された。これは、世界法を直接個人に適用するという世界連邦の基本原則達成へ向かっての一歩前進である。世界連邦運動(WFM)は、同裁判所設置のためのNGO連合の中核となって活動してきた。われわれは、同裁判所設立条約の批准などフォローアップ活動に努力する。

本年は「国連国際法の十年」の最終年であるとともに、一八九九年に開催された第一回ハーグ国際平和会議の百周年にあたる。これを記念して、五月にハーグで、六月にサンクトペテルブルグで政府間会議が開催される。これに先だち、五月十一日から十五日までハーグで市民組織による「ハーグ平和アピール99会議」が開催される。「戦争の世紀」といわれる二十世紀の終末に際して開催される同会議が、二十一世紀を「戦争のない世紀」とするために多大の貢献をすることを期待する。われわれは、同会議日本連絡会の世話団体として、同会議の成功のために最大限の努力をする。

統一通貨「ユーロ」が導入された欧州連合(EU)の基本原則である「補完性原理」は世界連邦の原理でもあり、国民国家の主権の一部委譲を意味する。一国だけで処理できない広範な問題は、地域機構や世界連邦で適切に処理する一方、国家や地方自治体で処理できることは、それらの機関に委せ、介入しないという原則である。世界連邦運動は「単一世界国家」をめざしているのではなく、各国の独自性を尊重しつつ、人類共通の諸問題について世界法の支配するシステムを構築することをめざしている。われわれは、このような原理の普及、宣伝に努め、所期の目的の速かな実現を期す。

右宣言する。


一九九九年四月二十七日

世界連邦建設同盟一九九九年度定例総会


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