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第21回世界連邦日本大会宣言

一九四八年八月六日、核戦争による破滅から人類を救おうと世界連邦建設同盟が創立され、わが国における世界連邦運動が展開されてから五十年が経過した。

第二次世界大戦後、長年にわたって続いた冷戦の終結は、世界平和への期待をふくらませたが、現実には各地で民族や宗教に根ざす紛争が多発した。そして、去る五月のインドおよびパキスタンによる核実験の強行は、包括的核実験禁止条約(CTBT)および核不拡散条約(NPT)を危機にさらし、再び核軍拡競争を激化させる恐れがある。今こそ、核兵器は絶対悪であり、人類と共存することはできないことを再確認すべきである。

また、大気や水の汚染、熱帯雨林の減少、砂漠化、オゾン層の破壊、二酸化炭素などの増加による温暖化など地球環境の悪化が急速に進んでいる。地球上の資源が枯渇しつつある一方、途上国の人口は爆発的に増加しており、数億の人々が貧困、飢餓、病気で苦しんでいる。これらは、いずれも地球規模の問題であり、一国だけで解決することはできない。人類が生きのびるためには、各国の人々が世界共同体の一員として協力し合うことが必要である。

本年は第三回国連総会で「世界人権宣言」が採択されてから五十周年でもある。われわれは、人権の尊重と擁護は世界平和の基礎であると確信し、これを契機にさらにその達成に努める。

われわれは、核兵器を含む、あらゆる軍備を撤廃し、紛争は武力ではなく、法によって平和的に解決することを主張してきた。明一九九九年は、紛争の平和的解決のために多大の貢献をした「第一回ハーグ国際平和会議」の百周年にあたる。これを記念して政府間会議とともに市民社会組織による「ハーグ平和アピール会議」が開催される。歴史上のいかなる時代と比べても多大な戦争による犠牲を被った二十世紀の終末に開催される同会議の成功を期す。そして、きたる二十一世紀を戦争のない世紀とするために、世界連邦の実現をめざして全力を傾注する。

右宣言する。


一九九八年八月六日

第二十一回世界連邦日本大会


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